Skip To The Main Content
PDA News

News

スドウ・マサミチ氏を追悼して 〜株式会社大協精工取締役社長

Jun 05, 2014

ノト・クニヒロ氏(株式会社大協精工営業部長)からEメールで、大協精工代表であるスドウ・マサミチ氏が亡くなられたと知らされたとき、その知らせは私にとって大変ショックで悲しいものでした。

幸いにも、ひと月前に大協にて会計監査を行うため日本へクライアントと出向いた際に、佐野で彼にお会いする機会がありました。スドウ氏は当時89歳で私のことをまだ覚えておられ、私に対しとても友好的で親切でした。思考はまだ非常にさえておられました。新規開発プロジェクトの話をされ、国際的な評価を受けることにとても喜んでいました。彼がいつも掲げていた生涯目標は最高品質と、最も清潔な薬剤一次容器・包装システムの開発でした。

スドウ氏はひたむきな方で、1954年に大協を設立された時にゴム製造で指を4本失くされました。彼と出会ったのは1978年で、私が初めて東京の大協へ訪れた時でした。とてもまっすぐなスドウ氏は新しい技術や製品開発に大変深く関わっておられました。当時、大協のゴム形成は現在のものほど清潔ではありませんでした。スドウ氏はゴム製ストッパーの製造後、独自の洗浄プロセスを開拓されました。その洗浄プロセスは非常に効果的で、アルカリ性高圧蒸気殺菌法によって微生物は事実上除去され、WFI最終洗浄では目に見える粒子が取り除かれました。また、このプロセスでは低分子量物質の摘出が可能で、エイズや他の反応生成物を成形ゴム製ストッパーで処理し、ストッパーを清潔にして薬剤に適合させます。過去30年以上を経て、スドウ氏は大協を世界で最も高品質な薬剤容器蓋を製造する会社へと導きました。最先端の無菌ゴム形成の多くが後洗浄過程なしで開発されています。同様に、Flurotecラミネートストッパー、CZプラスチック容器、そして100%自動視覚システムを備えた事前充填可能なシリンジも開発されました。業界において代表的な存在として見なされている製品もいくつかあります。スドウ氏は薬剤産業のために新しい容器蓋システムを開発するビジョンと粘り強さをお持ちでした。薬剤界は変化を受け入れることに対して大変保守的なのです。

大協は開発に長い時間と多大な努力を費やすことを厭わず、薬剤関連のクライアントとの適合、信頼、規制認可にかかる時間など、長くとも待つ姿勢を持っています。スドウ氏が重きを置いていたのは短い期間での利益性だけではなく、世界に向けての最高質で最も清潔な非経口包装システムの開発に情熱を注いでおられました。私は、名誉なことに、ウェストカンパニーで働いていた当時大協と共にCZ製品開発に取り組みました。スドウ氏は私が機器や資金が必要な時はいつも即座に対応してくださり、支援してくださいました。大協との恊働は本当に楽しいものでした。

大協は薬剤容器蓋産業界においてリーダーになるという目標を達成しました。すべての競合者たちは、コーティングストッパーや高品質プラスチック容器など、類似品を開発する努力をしています。現在のCOP、COCプラスチック容器または事前充填可能なシリンジはCZ製品のジェネリック版です。しかし、CZは競合品よりもいまだより優れた材料特性を誇っています。

スドウ氏はご自身のお仕事に対し情熱的で新しいテクノロジーに興味を持っておられ、私が大協を訪れる度にそこには常に新製品や新技術、あるいは新規展開がありました。大協において「持続的発展」が通常の慣行なのです。偉大なリーダーであるスドウ氏は、この文化を大協に確立するべく模範を示して指導されました。

彼のリーダーシップの下で大協は、PDA(非経口製剤研究協会)やその他産業活動、社会活動に積極的に関与しました。スドウ氏は従業員や同僚に対し非常に親切で寛大であり、大協の社員らは彼に対し常に愛と尊敬の念を抱いていました。

薬剤一次包装産業の偉大なリーダーであるスドウ氏を失ったことは大変悲しいことであり、上出来な新製品につながる彼のビジョンと粘り強さ、そして大協の最高品質の標準は、簡単に置き換えられるものではありません。薬剤業界は非経口薬剤の品質改善、特に抽出物および侵出物の減少ならびに微粒子の問題を減らすことにおいて彼に恩義があります。彼は薬剤界にとても惜しまれることでしょう。

スドウ・マサミチ氏と友人でいられたことは大変光栄であり、ご家族と大協ファミリーのメンバーの方々に敬意と哀悼の意を表したいと思います。

『編集者注:スドウ・マサミチ氏は1994年〜1996年の間PDA日本支部の理事を務める。加えて、日本支部が設立された当時はスドウ氏の父が理事を務めた。』

Conversations

comments powered by Disqus